実施レポート

季節のワークショップ 「さくらいろ」のうつわをつくろう

2024年2月4日(日)13:30-15:00

  

 「さくらいろ」と聞いてどんな色が思い浮かびますか?今回の季節のワークショップでは、やきものの装飾の要である釉薬に焦点をあてて、釉薬の色を活かしたうつわづくりに挑戦しました。

 「さくらいろ」ということで用意したのは、薄いピンクと、葉桜の頃の新芽を思わせる緑色です。これらは作陶館でちょうどいい感じの色を目指して、釉薬を調合してもらいました。

 釉薬の色を想像しながら、たたら(板状の粘土)で小皿や小鉢を作ります。型に押し当ててかたちをつくったり、手でふちをつくって好きなかたちにしてみたり、各々の方法で器のかたちが出来上がっていきます。釉薬が溜まった陰影を想像しながら、スタンプや彫り模様で飾り付けもしました。

 器づくりが終わったあとは、作陶館の氏家さんに釉薬の作り方のデモンストレーションを行っていただきました。釉薬の粉を量り、乳鉢でごりごりとなめらかにしていきます。割合が変わることで、色の濃淡や質感が変わっていくときいて、「科学実験みたい!」という声も。この日出来上がった釉薬の色は、乳濁したグレーっぽい色味でしたが、これをかけて焼成するとあの可愛らしい「さくらいろ」になるというのも驚きです。

釉薬のテストピースを見せてもらいます。同じ釉薬でも、土との相性、そして焼成方法でも色味が変わっていきます。
顔料を丁寧に計ります。
しっかりなめらかにするのがポイントだそうです。「混ぜてみたい!」と声があがりました。

 後日希望された方には、作品の素焼きが出来上がってから、釉薬がけの体験も行っていただきました。なかなか体験する機会のない釉薬がけ。素焼きの器がぐんぐん釉薬を吸い込む感触が新鮮です。どんな風にしたらうまく掛け分けができるか頭を悩ませつつも、どんな色に焼きあがるのか想像をしながら慎重に、ときに大胆に釉薬をかけていました。

釉がけ直後の器たち。まっしろで「さくらいろ」の感じはしませんが…
焼きあがると見事にさくらいろが現れました!

 3月には、それぞれに個性豊かな「さくらいろ」の器が焼きあがりました。お花見のお団子をのせたくなるような、春を感じる器でした。


(学芸員/林 いづみ)


―――基本情報―――

日時:2024年2月4日(日)13:30~15:00 (釉がけの日:2月18日)
場所:セラミックパークMINO 作陶館
参加者:13名

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