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イタリアの現代陶芸

2008年4月4日(金)~2008年7月6日(日)

本展はカルロ・ザウリ展とほぼ同時期に開催され、イタリア現代陶芸において牽引車的存在であったザウリの紹介と併せて、ザウリと共にイタリア現代陶芸の創成と発展に貢献した作家たち、およびザウリ以降の現代陶芸を担う作家たちを紹介するものです。

 イタリア陶芸史の源流は遠くエトルスク美術などに求められますが、その前史を華やかに飾るのは、中世末よりイタリアで制作された錫釉色絵陶器マヨリカです。ビアンコと呼ばれるほど白く光沢のあるマヨリカの釉は、絵画的表現に優れていましたが、低火度のため磁器より脆いものでした。1950年代半ば以降、ザウリはより堅牢なグレス(ストーンウエア)や高火度釉の研究を始め、そこに物質的・触覚的可能性と大規模造形の可能性を見出すことになります。
 やはり同じ頃、「アンフォルメル」(非定形)などの現代芸術の新動向などがファエンツアなどに紹介されており、すでに西リヴィエラのアルビゾーラでは、「スパツィアリズモ」(空間主義)を提唱したルーチョ・フォンタナがセラミストとして活動しています。
 こうしてイタリア現代陶芸は目覚ましい胎動を始めることになりますが、その最初の世代は、ザウリと同世代の1920年代末から30年代生まれの作家たちでした。その世代には、ローマとその近郊を拠点として活動するニーノ・カルーゾ、バッサーノ・デル・グラッパに居を構えるフェデリコ・ボナルディ、ノーヴェを拠点とするアレッショ・タスカやポンペオ・ピアネッツオーラ、アルビゾーラ・マリーナ在住のカルロス・カルレらが含まれます。現在ザウリは没し世代交代が進み、活動の中心は1940年代生まれ以降の作家たち、サヴォーナを拠点として旺盛に活動するサンドロ・ロレンツイーニ、ファエンツアのアルド・ロンティーニやジョバンニ・チマッティらが担うようになってきました。各世代の重要な作家たちを、館蔵品から紹介いたします。

概要

会場
岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅡ
会期
2008年4月4日(金)~2008年7月6日(日)
休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
開館時間
午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
観覧料

個人  一般 320円、大学生 210円
団体(20名以上)  一般 260円、大学生 160円
*高校生以下無料
*「カルロ・ザウリ」展観覧券をお持ちの方は同展会期中、同券でご入館いただけます。

主催
岐阜県現代陶芸美術館
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