中山保夫 ~品格の洋食器~
岐阜県現代陶芸美術館では、小企画展「中山保夫~品格の洋食器~」展を開催します。
「陶器にオリジナリティーを」
これは中山保夫が創業以来、方針としてきた言葉です。目指したのはヨーロッパの陶磁器ブランドの洋食器が持つ高級感。その上でオリジナルのデザインを追求し、バラエティーに富んだ幾種類もの食器を作り出してきました。特に脚部とカップをひとつの型で成形するワイングラスをはじめ、気品あふれる洋食器には定評があります。本展は、当館で収蔵することとなった初期の和食器から洋食器のディナーセットまで、その多彩な表現をご紹介するものです。
中山保夫は1922(大正11)年、岐阜県多治見市に生まれます。多治見工業学校(現在の岐阜県立多治見工業高校)を卒業後、岩城硝子に就職。終戦後は兵役から戻ると多治見で陶土原料の会社に就職します。そこで原料の性質を一から学び、30歳の若さで工場長に就任。新しい素材の研究開発に邁進しますが、1959(昭和34)年に独立、独自の工夫を重ねながら陶磁器製造を開始します。
以来約50年、自ら工夫を凝らし手間を惜しまず作られた作品は、数々の受賞に加え、宮内庁の注文により公式晩餐会用の食器を納品するなど、高い評価を得てきました。今回はその緻密な作業工程を物語るデザイン画や手描き見本、転写紙、さらにヨーロッパの陶磁器も併せて展示し、(株)ナカヤマの食器が醸し出す品格の秘密を探ります。
概要
- 会場
- 岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅡ
- 休館日
- 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
- 開館時間
- 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
- 観覧料
一般 320円(260円)、大学生 210円(160円) ※( )内は20名以上の団体
*高校生以下無料
ギャラリーツアー
毎週日曜日午後3時より、当館ボランティアスタッフによるギャラリーツアーを行います。- 主催
- 岐阜県現代陶芸美術館
- 共催
- 中日新聞社
- 協力
- 中山保夫
- 問合せ
- 岐阜県現代陶芸美術館
〒507-0801 岐阜県多治見市東町4-2-5(セラミックパークMINO内)
電話 0572-28-3100/FAX 0572-28-3101
- 同時開催
所蔵名品展―日本近代陶芸のあゆみ*終了しました
(開催中~6月28日)
- 関連企画
岐阜県現代陶芸美術館 友の会 企画 中山保夫、自作を語る*終了しました
このたび岐阜県現代陶芸美術館では、小企画展「中山保夫~品格の洋食器~」展開催を記念して、中山保夫氏によるギャラリートークを開催致します。
多治見に生まれた中山氏は、1959(昭和34)年に独立して製陶業を開始。それ以来約50年、自ら工夫を凝らし手間を惜しまず作られた作品は、数々の受賞に加え、宮内庁の注文により公式晩餐会用の食器を納品するなど、高い評価を得てきました。特に脚部とカップをひとつの型で成形するワイングラスをはじめ、気品あふれる洋食器には定評があります。洋食器生産も盛んだったこの窯業地美濃にあっても、その存在は際立っていました。
今回は、実際に展示されている作品を前にしながら、一つ一つの食器に精魂を込めて開発・製造に邁進されてきた思いを、当館館長榎本徹と語っていただきます。・講師 : 中山保夫(株式会社ナカヤマ社長) ・聞き手 : 榎本徹(岐阜県現代陶芸美術館館長) ・日時 : 2009年5月2日(土) 午後2時より ・会場 : 岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅡ
・問合せ先 : 岐阜県現代陶芸美術館 担当 村山閑 〒507-0801 多治見市東町4-2-5
電話:0572-28-3100 FAX:0572-28-3101
○中山保夫 略歴
1922年 多治見市に生まれる。 1941年 多治見工業学校(現・多治見工業高校)卒業、東京の岩城ガラス就職。 1946年 復員後、多治見の陶土原料会社ヤマカ陶料に就職。 1959年 独立、中山製陶所創立。 1963年 瑠璃釉の開発。香蘭社と提携(65年頃まで)。 1972年 岐阜県知事賞受賞(同賞を76年、88年にも受賞)。 1985年 販売会社として(株)ナカヤマ設立。 1986年 第1回国際陶磁器展美濃入選。 1987年 ステムウェアの開発、中小企業庁長官賞受賞。 1990年 宮内庁へ菊花御紋章入コーヒー碗皿受注、納品。 2003年 「中山保夫展―プロダクトデザインに生きるネオジャポニズム」開催(三重・パラミタミュージアム)。 2004年 「中山保夫―珈琲碗皿展」開催(東京・酉福ギャラリー)。