過去の展覧会|特別展

岡部嶺男展 ―青磁を極める―

2007年7月14日(土)~9月30日(日)

《粉青瓷大砧》 1969年

《粉青瓷大砧》 1969年

《古瀬戸灰釉縄文瓶》 1968年

《古瀬戸灰釉縄文瓶》 1968年

 近代陶芸の巨匠のひとりとして、日本の陶芸史に深くその名を刻みつつも、およそ四半世紀にわたって、まとまった紹介がなされてこなかった岡部嶺男(1919~1990)の作陶活動を回顧します。
岡部は陶磁器の産地として知られる愛知県瀬戸に、陶芸家・加藤唐九郎の長男として生まれ、子供のころから陶磁器に親しみました。1940年に21歳で入営し、復員後、本格的に作陶活動を再開すると、織部・志野・黄瀬戸・灰釉・鉄釉などの地元の伝統技法をもとに作域を広げていきます。なかでも器体の全面に、自らの情熱を叩きつけたかのように縄文を施した織部や志野の作品は、極めて独自性が強く、そのエネルギー溢れる作品は高い評価を得ます。その後、意欲的な作陶姿勢は青瓷の研究へと向けられ、厳しく凛とした器形に、しっとりとした艶のある不透明な釉調の<粉青瓷>、透明感ある釉調と青緑の釉色が美しい<翠青瓷>、そして、誰もが為し得なかった黄褐色の<窯変米色青瓷>など、「嶺男青瓷」と呼ばれる独自の釉調や釉色の青瓷釉をまとう作品を生み出していきます。相対するかのような格調高い青瓷の静謐な世界をつくりあげながらも、そこには縄文の作品に通じるエネルギーが内包されています。
本展覧会は、情熱に満ち、独自性に富んだ岡部の作陶活動の初期から晩年までの作品約170点を一堂に展観します。古典の単なる模倣を超えて、自らの美意識を作品に写し出すことに生涯をかけた岡部嶺男の軌跡を今、あらためてたどります。

概要

会場
岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅠ
会期
2007年7月14日(土)~9月30日(日)
休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
開館時間
午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
観覧料

一般800円(700円) 大学生600円(500円) 高校生以下無料
( )内は団体20名以上

主催
岐阜県現代陶芸美術館 NHK岐阜放送局 NHK中部ブレーンズ 中日新聞社
ギャラリートーク

会期中毎週日曜日の午後1時30分より当館学芸員による展示案内があります。*終了しました

関連企画

連企画 ●岐阜会場 特別展示―もうひとつの岡部嶺男展*終了しました

(展示期間7月14日~9月30日)
会期中、展覧会場最後の展示室に、岐阜会場独自の企画として特別展示コーナーを設けております。
ここでは自然の陽光の下で、粉青瓷と窯変米色瓷の作品2点をご覧いただくことができます。
岡部嶺男の幅広い作域を伝える作品、ゆかりのある作品など21点を展示。
*本特別展示の鑑賞には「青磁を極める-岡部嶺男展」の観覧券が必要です。

講演&対談「父、岡部嶺男を語る」*終了しました

次女の岡部美喜さんをむかえ、家族がみつめた故・嶺男氏の姿をお話しいただいたあと、当館副館長・渡部誠一を聞き手に対談します。

・講師 : 岡部美喜
・日時 : 平成19年7月21日(土)14:00~15:30
・会場 : セラミックパークMINO 1Fイベントホール
・参加費 : 無料(ただし、展覧会観覧には別途観覧券が必要です)

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