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琉球赤絵黍文面取壺

(りゅうきゅうあかえきびもんめんとりつぼ) Faceted jar with sugar cane design, overglaze red enamel

濱田庄司

(はまだ しょうじ) Hamada Shoji
1960年代後半
H 19.5cm W 15.7cm D 15.7cm

 濱田は民藝運動の中心的存在である。バーナード・リーチとともに過ごしたイギリスのセントアイヴィスでの作陶生活を終えて帰国後、濱田は益子での制作を志しながら一時期沖縄の壺屋窯で制作する。このころから赤絵、刷毛目を用い始める。「私の仕事は英国に始まり、沖縄で学び、益子で育った」と濱田自身述べている。益子に窯を築いてからも濱田はたびたび沖縄へ赴き、壺屋の窯での仕事を継続した。
 本作品は、濱田が多くを学んだ琉球雑器の様式と技法による作品である。そこに描かれた「黍文」は沖縄での写生から生まれた文様である。その後、濱田の生涯を通じて繰り返しあらゆる器の文様として現れる黍文は濱田の創作文様のひとつの粋である。極限まで簡略化された文様には植物の生命力がみなぎり、同じ筆致で描かれた松菱の抽象模様も息づいている。肌合いが柔らかい琉球の白釉を地として、土・形・釉・模様の一切を濱田自身の流儀のなかで扱いこなし独自の表現を現出している。
 本作品は民藝運動に身を投じつつ独自の陶境を拓いた個人作家としての濱田を雄弁に語る一作である。

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