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萌黄金彩水指

(もえぎきんさいみずさし) Fresh-water jar, overglaze gold design on Moegi (spring-green) glaze

五代加藤幸兵衛

(ごだい かとう こうべえ) Kato Kobei Ⅴ
1960年以降
H 15.0cm W 20.0cm D 20.0cm

五代加藤幸兵衛は岐阜県多治見市市之倉に四代幸兵衛の長男として生まれた。その家は江戸時代の文化年間に創業し、幕末から明治時代には美濃の染付磁器を焼く窯元の一つであった。祖父三代幸兵衛はその時代をやきもの一筋に生きた名工とされるが、父四代幸兵衛は事業に失敗し早々に家長を隠退したため、五代幸兵衛(福寿)は十六歳で家業を担い、幸兵衛窯を継承拡張して大正の不況時代を乗り切ったという。
五代幸兵衛の足跡は、こうした家業の長としての、または岐阜県陶磁器試験場長を23年間務めたことに みられるように、美濃窯業界の指導者としての側面を抜きにしては語ることはできない。彼の陶芸作家としての活動期は、昭和前期の帝展時代、戦後二十年代の日展時代そして昭和三十年代半ば以降の伝統工芸時代の三期に分かれ、その間の空白期が産業工芸家としての推進期であったとされるが、五代幸兵衛はその二つの側面で、過不足無いすぐれた力量を発揮した努力家であり、達人であったと評価されてい る。
五代幸兵衛の作域は広いが、自ら好んで手がけたとされる華麗な明時代の金襴手は、第三期のしかも四十から五十年代、年齢では七十歳代から最晩年にかけてのものである。この「萌黄金彩水指」も、萌葱地に金襴手を施し、染付の窓絵を配して闊達な運筆をみせるこの時期の優品である。

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