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色絵金銀彩四弁花模様飾壺

(いろえきんぎんさいしべんかもようかざりつぼ) Vase with four-petaled flower design in overglaze enamels, gold and silver

富本憲吉

(とみもと けんきち) Tomimoto Kenkichi
1960年
H 23.0cm W 27.0cm D 27.0cm

 富本憲吉は、彫刻家や画家と同様に陶芸家も近代的な個人作家として制作し得るということを自らの実践で示したという点で、バーナード・リーチとともに、国際的にも最初の人物とされています。その近代個人作家としての姿勢は、富本が「模様から模様をつくらず」とした模様における独創性の追求、そしてマイヨールの彫像に自らひいた白磁の壺のイメージを重ねるといった近代的造形思考の追求などの創作実践に明瞭に看て取ることができます。その意味では、近現代の陶芸を対象とする当館が収集すべき最も重要な作家の一人ということができるでしょう。 
 本作品は、富本の開発した金銀彩の技法を用い、彼の代表的な創作模様である四弁花模様を施したもので、すぐれて富本芸術の特色をそなえた作例であるとともに、この種の飾壺の中でも際だって格調の高い秀作です。また昭和35年というこの制作時は、昭和30年の第1回人間国宝の認定後であり、文化勲章授与の前年にあたります。まさに富本最晩年の絶頂期にある富本芸術の精華を伝えるものといえます。

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