• ご来場のお客様
  • 主催者[施設利用者]の方
HOME  >  ショップ&ギャラリーMI-NO  >  美濃焼探訪  >  「現代の和の器 小田陶器株式会社」

ショップ&ギャラリーMI-NO

「現代の和の器 小田陶器株式会社」

岐阜県瑞浪市は古くから良質の陶土を産出し、高い技術力を誇る美濃焼メーカーが多く存在する地です。小田陶器さんは、ここ瑞浪市で大正10年の創業以来、品質とこだわりを大切にした器づくりを一貫して追い求め、高品質の器をつくるメーカーとして知られています。

inquiry01

写真をご覧ください。光が透き通る白磁の特性を生かしたカップは、小田陶器さんが持つ卓越したロクロ成形の技術なくして生まれませんでした。
通常、厚みの薄い器をつくろうとすれば、成形の過程で切れが生じたり、焼成の過程でゆがんだりしやすくなります。また、白い器は欠点が目立ちやすく、ほんの少しの汚れでも完成品として出すことはできません。
今回は、そんな難易度の高い「薄いうつわ」と「白いうつわ」にこだわり、高品質な器を生み出す小田陶器さんの工場内を、デザイナーの天野さんのご案内のもと、製造工程の順番で見学させていただきました。

inquiry_tit_01

  • inquiry02

    工場に入ってすぐに目に飛び込んできたのは、棚にきれいに収納された型や道具、きびきびと動くスタッフの方々。この工場全体に行き届く凛とした気持ち良い緊張感を感じながら進みました。

  • inquiry03

    inquiry_tit2_01最初の工程は「土練り」です。

  • inquiry04

    inquiry_tit2_01一晩寝かせた粘土を専用機械に入れ、気泡のない一定の堅さの円柱に練り上げます。

  • inquiry05

    inquiry_tit2_02練り上げられた粘土は自動成形機に入れられ、スピーディーに器の形になっていきます。

  • inquiry06

    inquiry_tit2_02これが小田陶器さんの得意とされる「ロクロ成形」です。この技法を生かして、生地が極限まで薄くデザイン性のある器ができるのです。また成形後はうつわのフチを滑らかにするため丁寧な処理が施されます。

  • inquiry07

    inquiry_tit2_03成形された器は、専用トンネル窯で「素焼き」されます。「素焼き」は850℃の温度で30時間にのぼります。

  • inquiry08

    inquiry_tit2_04素焼きされた器は、「絵付け」工程に進みます。写真はシリコンパッドで絵柄を印刷している様子です。とてもスピーディーに器が印刷されている為、絵柄に汚れやキズが入らないよう、細心の注意が必要です。

  • inquiry09

    inquiry_tit2_04手作業で器の縁を加飾しています。

  • inquiry10

    inquiry_tit2_05絵付けされた器は、熟練の作業で釉薬が施されます。

  • inquiry11

    inquiry_tit2_06絵付け施釉された器は、1点ごとに鞘に納められ、「本焼成」されます。

  • inquiry12

    inquiry_tit2_06工場を貫く全長86mの本窯で、1,300~1330℃、44時間の焼成となります。

  • inquiry13

    inquiry_tit2_07本焼成された器は、自動で鞘から外され、一点一点熟練したプロの目による検品にかけられます。ここで僅かなヒビや色むらなどのある器は、見逃すことなく取り除かれます。

以上の工程を経て製造される小田陶器さんの器づくりは、一口に機械生産とはいえ、行程のいたるところで人による丁寧な配慮や創意工夫が施されていると感じました。例えば、小田陶器さんでは多様なデザインの器を生産してみえますが、繊細なデザインの器を製作するためには既成の道具や機械では対応できないことが多いそうです。そのため、もともとある道具や機械を自社で工夫、改良し、時にはオリジナルな道具を製作することも少なくないそうです。ここに、こだわりの器をつくるための、こだわりの製造工程の一端を垣間見た気がしました。

 昨今、日本の食環境では「和」「洋」の垣根を越えた、さまざまに調理された料理が溢れています。そして、それらを盛り付ける器においても、今や和食器、洋食器というくくりは、一般の利用者からするとあまり意識されなくなってきているように思います。
小 田陶器さんは考えます。世の中がどのように変化しようとも、縄文の代から続く日本の食と器の文化の大きな河の流れの中では、自分たちがつくる「うつわ」は やはり「和食器」と言えるのではないか。そして、その中で高品質でデザイン性を重視した「現代の和の器」追求したいと。それは小田陶器さんの器づくりを貫 く、不易流行のこだわりなのだと感じずにはいられません。